▼日々の暮らしで心が豊かに。
蓮の花が開き始めた7月上旬。雨にぬれて生き生きとしげる緑のアプローチを抜け、向かった先は浮羽町にある『ぶどうのたね』。
“暮らしにまつわるたね”を提案し、平日でも大勢の人が訪れる人気のお店だ。淹れていただいた珈琲を飲みつつ、オーナー・田中夫妻の奥様・あかねさんにお話を伺った。
-女性を中心に本当に色々な方面から訪れる方の多いこちらのお店ですが、
立ち上げられた時の経緯を教えていただけますか?
「もともと、1番上の息子*が小さい頃は博多がベースでした。博多で着物を扱っていて、週末だけこちらで過ごしていました。2ヶ所居住ですね。若い頃に大好きだった信州になんとなく似ているこの風景を眺めながら、柿畑やぶどう畑の手入れをするのが楽しかったですね。夫の母が料理好きだったので、先に料理屋を立ち上げていまして、私達も子どもが小学校に入る前に、これから“どこをベースに”暮らしていくか決めようという事になりまして、大好きな風景のある浮羽に居を定めました。息子が年少の頃だったでしょうか。仲間で、「好きなものを提案できる場があったらいいね」という事になって、『ぶどうのたね』を立ち上げました。
そこからいろいろと展開していきカフェ・売店、和菓子、きもの、珈琲、そして最近では、博多にお店をOPENしました。そうこう考えると、30年かしら・・・あっと言う間ですね。この場所がまずあって、そこで私たちが好きだと思う、日々の暮らしにあるとちょっと良いもの、心が豊かになるものを知ってもらって、好きになった上でお買い求めいただくのですけど、はじめの頃はまだ若くて・・・今考えたらすごいですね。やる事、考えるべき事、仕事量・・・増えましたねぇ。夫からは、まぐろかイノシシだって言われています。ず~っと動いているし考えているし、きっと止まったら死ぬんじゃないかって。ふふふ、なんだかず~っと動いている感じです。」
*・・・息子さんは、『ぶどうのたね』の一角にある『zelkova coffee』で珈琲を焙煎し、日々カウンターに立ち、立ち寄った人たちに珈琲を提供している。
▼仕事に対するプライドを持って。
-募集を始めた経緯と、仕事内容、今回来ていただきたい方の人物像をお伺いしてもいいでしょうか?
「今いるギャラリー部門のスタッフは立ち上げ当初からいるメンバーなのですが、50代・60代になってきたんです。その次のスタッフは30代で、この間結婚が決まったんです。もちろん、お子さんが出来た場合には産休・育休を取って戻ってきてほしいなと思っていますが、そうするためにはその間にきちんと現場を守ってくれるスタッフが必要です。仕事の内容は、主に接客・販売に関わる業務諸々です。店頭にも立ちますし裏方の仕事など色々とあります。
ある程度ベテランになってくると、私が企画の立ち上げをしたら、その後の詰めていく作業なども、ある程度任せています。例えば3年に1回しか企画展が出来ないような作家さんもいらっしゃるので、本当に真剣に考えます。うちぐらいのスペースのあるギャラリーを、作家さんお一人で構成しようとすると、その作家さんの3~4カ月分の仕事はうちの分の仕事だけになります。そう、かかりっきりになるんです。という事は、その分の作家さんの収入は、うちの売り上げにかかってくるという事です。責任重大です。魅力をどうわかりやすくお伝えできるか、感動していただけるようにどんな構成が必要か、どうやって少しずつファンの方の裾野を広げていくか・・・ただ、そこにいるだけでは駄目ですね。考えて動く事が必要で、ギャラリースタッフという仕事に対し、夢見るだけでは厳しいです。きちんと考えて動いて、数字を積み上げていく。そうする事で雇用も守れる、作家さんの生活にも貢献できるので。とは言っても、現場ではまずは自分の「好き」や「感動」をお客様に素直に伝えてもらえたらいいと思います。やはり素直な表現が伝わりますから。
緑に囲まれたこの場所にわざわざお客様が来て下さる。ほっとするひとときを過ごされて、そして日々が少し豊かになるものを手にされる。買った時の景色などもあとから思い返してもらえるような、「ぶどうのたね」がそんな店になれるよう、スタッフ全員の力でお店を作り上げたいと思っています。スタッフにもそういう店で働くという事に誇りを持ってほしいと伝えています。ですから、ギャラリーという形態への憧れ、夢だけでスタートされる方は違うかな・・・と思います。遠方の方は厳しいかもしれませんが、うちの事をきちんと知っていて、バランスの良い方が希望です。」
-なるほど・・・。それでは、実際にスタッフになる方にはどんな仕事が待っていますか?
「接客、販売だけでなく、商品セレクト、ディスプレイ、在庫管理などを行ってほしいと思っています。一緒にお店を作り上げていく感覚ですね。経験やセンスにもよりますが、経験がない方の場合は、まず隣の売店から担当していただく事も考えています。それと、現在はギャラリー部門は女性ばかりですが、男性が来て下さってももちろん歓迎します。アパレルの商品などは、メンズをこれからもっと扱っていきたいと思っているんです。今までの女性だけの陣容から、また化学変化も起きるかもしれません。」
▼暮らす事で好きになる。
-では、ここ浮羽町で働いて暮らしていくとすると、どんな町だと思われますか?
「これもまた夫語録なんですけれど、“九州の中心”です。面白いでしょう。博多・天神まで車で1時間。文化的な事もちゃんと楽しめます。その他のところにも高速を使えばそんなに時間がかからないでしょう。2時間以内で行ける処が多いですよね。私の場合は、高速の行き帰りに例えば落語を聞いていますから、本当にあっという間です。今は立川談春さんを聞いています。田舎は、馴染んでしまえば暮らしやすい環境がありますよ。あとは・・・、そうですね・・・うちに勤務するスタッフたち、なかなか一戸建てを借りようとする人は少ないですね。だいたいアパートですね。古い一戸建てだと草取りや雨戸の開け閉め、雨漏り対策が大変だったりしますから・・・。それと、中古でもいいから、車は持っていないと厳しいかもしれませんね。
-どのような暮らしが待っているでしょう?
「田舎ゆえの手がかかる事もありますけど、日々をきちんと暮らすと、好きになる事が出来ると思います。それと、都会で生活されている方は、文化的な事と遠くなるのかなと考えていると思うんですけれど、そんな事はないですよ。福岡まで1時間だし、往復の車中で色々と考えをまとめたり、私の落語のように何かを聴いたり・・・。ここは九州の中心地だと思って生活を楽しむと、日々の暮らしが豊かになっていくのではないかしらと思います。」
「ぶどうのたねは、スタッフが作り上げているんです。だから私だけが写る写真ではなくスタッフが主役の写真を・・・」と語ったあかねさん。(下写真左)
暮らしのたねを蒔く頼もしいスタッフの皆さんと一緒に、最後にカメラの前に登場していただきました。
「お店と一緒に成長していきたい!」と感じていただけた方はぜひ1度『ぶどうのたね』を訪れてみて下さい。“ここを好きになる事”がスタートラインのようですよ。
- 会社名
- ぶどうのたね
- 募集期間
- ~8月31日(月)
- 採用人数
- 若干名
- 募集職種
- ギャラリースタッフ(販売・接客)
- 雇用形態
- パート・アルバイト
- 勤務地
- 福岡県うきは市浮羽町流川428
- 勤務時間
- 要相談
- 給与
- 時給800円※正社員に昇格の可能性あり(試用期間2ヶ月)
- 福利厚生
- 社会保険完備交通費あり:10,000円まで/月
- 休日休暇
- シフトにより(土日祝勤務可能な方が望ましい)
- 仕事内容
- 接客、販売だけでなく商品セレクト、ディスプレイ、在庫管理など一緒にお店を作り上げていくお仕事。土日祝日の勤務可能な方が望ましい。※ごく稀に博多店へも。
- 応募資格
- なし
- 選考プロセス
- STEP-1.本サイトへお申込みSTEP-2.面接
- 備考
- 楽しんで学べる方。接客の顔となってくれる方を募集。